マーケティングとは全くの別物~ブランディングスキル~
今回は、「ブランディングスキル」について書いていきます。
ブランディングと聞いてどういうものなのか、はっきりと答えられる人は多くないと思います。
皆さんが分かりそうで分からないブランディングを何も分からなかった僕が分かりやすく書いていこうと思います。
結論からいうと、
ブランディングは「商品を売らなくても売れる仕組み 」です。
今回の内容を読んで頂ければ、このような事が分かるようになります。
なぜブランディングをするのか
商品を売らない仕組み作り
最初に言ったように、ブランディングをする事によって商品を売ろうとしなくても相手から寄って来てくれるようにする為です。
これが後から書くマーケティングとブランディングの一番大きな違いです。
価値を上げて単価を上げる
もう1つが「価値」と「単価」を上げる為です。
例えば、、、スタバ
スタバは非常にブランディングがうまい企業の1つです。
利用する皆さんがあの空間で飲むコーヒーは、決して安くない値段にも関わらず、値段以上の価値を感じているかと思います。
ブランディングが出来れば、商品価値が高まり、また競合をつくらずに済み、値段の高いものでも消費者から値下げを迫られる事もなくなります。
そうする事で、価格競争から逃れられます。
逆にブランディングが出来なければ、次のような「負のスパイラル」に陥ってしまいます。
<価格を下げるとどうなるか>
↓
サービス競争激化
↓
サービス費増に伴う自社コスト増
↓
利益率の低下
↓
利益を残す為、コストカット
↓
広告費削減
↓
業界のシェア率低下
このような事態に陥らない為にブランディングが必要だと分かったかと思います。
ブランディングとマーケティングは全くの別物
まず、集客をする為に必要とされるスキルは大きく分けて4つあります。
この4つを使う目的が1つ1つ違います。
- 「特定の人」にアピール
- 「不特定の人」にアピール
- 「別の人」が商品をアピールしてくれる
- 「相手から欲しい」とアピールしてくれる
こう見ていくと、ブランディングはマーケティングとも広告ともPRとも全く違います。
ブランディングが唯一相手主導で購買行動に動いてくれます。
だからこそ、ブランディングはマーケティングと全くの別物となります。
では、ブランディングにはどういう種類があるのか。
ブランディングの種類
ブランディングの中にも目的別に種類があります。
⇒どのように広めるのか
- コーポレートブランディング(会社)
⇒どのように消費者とつながるか
- プロダクトブランディング(商品)
⇒何を売るか
- セールスブランディング (売り方)
⇒どのように売るか
マーケティングブランディング
このブランディングがあって、初めて他のブランディングに繋がっていきます。
ステートメント(目標)やデザインを決める前に広め方の選定を行います。
活用例として、口コミやSNS、メディアなどを通してチャネル、ターゲット選定を行います。
どう行うのか。
「儲けファースト」ではなく、「ニーズファースト」で思考する。
例えば、、、コーヒー
安いマックでなく、高いスタバでコーヒーを買う理由が分かりますか?
コーヒーを買う人のニーズは「仕事したい」や「リラックスしたい」というモノになります。
その点、
マックは商品単価が安い分、店舗の回転数を重視しています。
その為、一人当たりに与えられるスペースが極端に少なくなっています。
スタバは、ソファがあったり、コンセントがあったり、ジャズが流れていたり、コーヒーを飲む人のニーズに合わせた店舗設計になっています。
その為、商品単価が高くても常に満席状態となっています。
業態は違えど、これが「儲けファースト」と「ニーズファースト」の違いで、どう広めていくか、がカギになります。
コーポレートブランディング
消費者と繋がる活用例として、HP、ロゴ、パンフレットなどに使用します。
ここでの重要な点は、
競合を把握しても作ってはいけない事。
先ほども書いたように、競合を作ってしまうと価格競争に巻き込まれやすくなります。
そうならないように「〇〇だから、○○業界ではない」と明言する必要があります。
例えば、、、Google
Googleは売上の90%が広告収入の為、完全に広告会社ですが、「テクノロジー会社」です、と明言しています。
もし、広告会社と言って競合を作ってしまうと、他のブランディングが出来ていてもメディア広告や他のネット広告会社と「価格競争」に陥ってしまう恐れがあります。
これは、「専門店」や「特化型」のスモールビジネスを始める上で重要になります。
プロダクトブランディング
活用例として、価格、資格、デザインなどに使用します。
重要な点は、
売上ベースでなく利益ベースで価格設定をし、常に価格を上げる為にどのように付加価値を付けるか、という点です。
全員が購入してくれるから、といってその価格帯に設定するのは✖
「売上」ー「コスト」=「利益」
というフローを意識した価格設定が必要です。
ここで一番利益が残る価格設定にした後、必ずその価格以下の層は切り捨てて下さい。
必要なのは、そこからどうやって単価を上げていくか、です。
その為に価値の創造が必要になってきます。
価値を上げる為には「付加価値「体験」「ストーリーテリング」などを創造していきます。
その中で付加価値を付ける方法が3つあります。
- 空間付加価値
⇒店内インテリア、雰囲気作り
- 商品付加価値
⇒高単価の素材を提供
- エンターテイメント付加価値
⇒サービス
この3つの方法の中でも一番大切なのは「エンターテイメント付加価値」です。
例えば、、、
店舗にお客様が来店した際、「スパークリングワイン」をデフォルトでつける。
飲み物を提供する店舗があったりはしますが、全員が飲みたいわけでもなく、「特別感」を抱く人はいません。
でも、それがスパークリングワインだと飲む人も飲まない人も高級感を味わえ、SNSで店舗の投稿をしてくれたり、とたった1杯の飲み物でも差をつけられて高単価で提供できます。
セールスブランディング
重要な事は、商品を間接的に売る事です。
例えば、、、ヤマハのピアノ
皆さんヤマハのピアノのCMや広告を見た事はありますか?
恐らくないと思います。
ヤマハのピアノのセールス対象は「ピアノ教室」に参加している人だからです。
ピアノは単価が高く、購買行動に移りづらい商品です。
だからこそ、
ピアノ教室でピアノに興味を持ってもらう
↓
ピアノの購入
と、購入までに商品に触れて使用するというサービス体験にワンクッション置く事で、所有体験を持たせ、購買行動に誘導していけます。
こういうサービスなどの付加価値が事業規模を大きくしていきます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ブランディングと言っても様々なモノがあり、マーケティングや広告とは違う方法だと感じて頂けたかと思います。
ブランディングが唯一相手から購買行動に動いてくれる方法ではありますが、相手が購買意欲を示すように誘導してあげる点は、マーケティングや広告、PRなどと同じかもしれません。
ブランディングが出来るようになれば、確実に他者と差別化でき、自社ブランドに「特別感」を抱いてくれるようになります。
特別感がブランドのファンへ変化していき、自分の中の定番のモノという位置づけになれば勝ちです。
皆さんもブランディングを行って消費者の定番の中に食い込んでいきましょう!